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個人事業主であるフリーランスや自営業者の減税

個人事業主の年金に関しては、会社員・役員向けの厚生年金が無い事から「個人事業主が厚生年金をかけられない」デメリットがありました。ただ、最近では、年金を自分で作っていくiDecoにおいて、サラリーマンが月額1.2万円~2.3万円なのに対し、自営業者はその3倍である月額6.8万円までかけられる制度となりました。

これにより課税前の収入6.8万円を毎月積み立てる事ができ、尚且つ配当等は非課税になります。人によって個人事業主の期間がどれほどあるか分からないが、40歳から20年かけると合計掛金だけで1,680万円となります。かかるはずの所得税・住民税が無い状態で運用出来るだけでも、利回りは最初からプラスの状態でスタートする事が出来るようになりました。

年金のみならず、個人事業主向けの追い風が税制面でも吹く事となったので、詳しくみていきます。

 

所得2,400万円以下が対象の基礎控除

令和2年分以降の基礎控除がこれまでの38万円から48万円と10万円増加しました。10万円分に対する税金が無くなるので、肌感覚では年額2万円前後手取が多くなります。この部分に関しては、サラリーマンも対象である為、個人事業主のみ有利と言うわけではありません。

基礎控除を一覧で見てみると

合計所得金額 控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0万円

となっており、2,400万円~2,500万円の中で控除額が減っていき、2,500万からはゼロになるという非常に短いレンジでの控除カットになっています。ただ、年間所得でこのぐらい稼げる人が、控除を目当てに2,400万円に抑えておく。と言う事もあまり考えられないです。また、サラリーマンで年間給与額が2,000万を超える人材も給与所得者全体の約0.6%(国税庁「民間給与実態統計調査」より)と少ない為、ほぼ国民に広く控除額を与えた施策だと言えます。

 

サラリーマンの給与所得控除が10万円減少

ここが個人事業主にとってメリットがある部分です。サラリーマン(社員・役員)にのみ適用される増税部分で個人事業主にとっては、もともと無かった部分で影響を受けません。サラリーマンと個人事業主の格差を縮小する姿勢がこの部分においてうかがえます。実際の給与所得控除額を見てみましょう。

平成29年分~令和元年分

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%
650,000円に満たない場合には650,000円
1,800,000円超3,600,000円以下 収入金額×30%+180,000円
3,600,000円超6,600,000円以下 収入金額×20%+540,000円
6,600,000円超10,000,000円以下 収入金額×10%+1,200,000円
10,000,000円超 2,200,000円(上限)

令和2年分以降

給与等の収入金額
(給与所得の源泉徴収票の支払金額)
給与所得控除額
1,800,000円以下 収入金額×40%-100,000円
550,000円に満たない場合には550,000円
1,800,000円超3,600,000円以下 収入金額×30%+80,000円
3,600,000円超6,600,000円以下 収入金額×20%+440,000円
6,600,000円超8,500,000円以下 収入金額×10%+1,100,000円
8,500,000円超 1,950,000円(上限)

2020年以降は、全てのサラリーマンから10万円の給与所得控除が無くなります。基礎控除が10万円増える代わりに給与所得控除が10万円減っており、この時点で±ゼロの税制変更となっています。

令和元年までは、給与等の収入金額1,000万超の場合、220万円の給与控除があったがそれが令和2年以降195万円に減っています。25万円も控除枠が減少した事となり、実質この層に対する増税となっており、年々給与アップが増税で消失するような形になっています。

 

まとめ

給与所得者で言えば、同一労働同一賃金がアルバイト・パートや派遣社員にもしっかり適用されつつあります。賃金に加え、待遇面でも同一化する事となり、そのうち単純に拘束時間ぐらいしか差が無くなる可能性も。個人事業主と給与所得者と言う二分された制度において、格差是正の為に国が徐々に動いている傾向がうかがえます。数や割合と言った観点からも減少傾向にある個人事業主ですが、時代に合わせた税制が促進されると経済活性化にもつながりよい結果が社会にもたらされると期待したいところです。

 

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